着物を染めたり、加工をするときに反物に端につける「札」。これを「渋札」といいます。柿渋を塗った紙で水にぬれても大丈夫なように出来ています。
売っている時は細長い三角形の形をしています。これを指でしごいて、こより状にします。よったところが出来るだけ細長くなるようにしますが、最初はなかなか上手くできません。それでも慣れてくると細く長くできるようになります。
そして、墨で必要な事項を書きます。筆ペンではなく墨で書かないと水に浸けたときに消えてしまいます。
我が家はそれほど渋札は使いませんが、自分の所で職人さんに回すときは必ず使います。
例えば・・・白生地を染めたり、八掛を染めたり、紋を入れたり・・・。普通のお店は問屋さんや悉皆屋さんに頼まれるのでしょうが、我が家では直接職人さんにお願いしています。それだけに、こういった事も自分でします。
渋札には、加工の種類、紋の名前、色本の番号などを書きますが。
紋の名前が書いてあって、「五.五」と書いてあれば、紋の大きさが「五分5厘」だという事をあらわしています。また、○の中に「一」と書いてあれば、一つ紋。○の中に「三」と書いてあれば、三つ紋。ですから、○の中に五とあれば、五つ紋のことになります。