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Posted by 京つう運営事務局  at 

2007年06月29日

東京で能三昧 その2

で、日曜日は午後から国立能楽堂で金春流桜間金記師主催の「轍の会」演目は、能「弱法師」本田光洋師ほか、狂言「鐘の音」野村万作師ほか、能「西行桜」桜間金記師ほかでした。

ここでちょっと能について・・・

能は、皆さんも歴史で習われたことがあると思いますが、室町時代に観阿弥世阿弥が大成した演劇です。この二人が物まね主体の猿楽に歌舞の要素を取り入れて現在の能を作り上げた。

現在能には、五つの流派があります(観世、宝生、金剛、金春、喜多)。このうち喜多は江戸時代に金剛から独立した流派です。これらの流派は大和猿楽から発展してきたものです。そして大きく観世、宝生を「上掛」、金剛、金春、喜多を「下掛」といいます。同じ能でも流派によってずいぶん特色がりますが、「下掛」はどちらかというと、古風な感じで、あるいは、田舎風、上掛は都会的な感じがします。音程も下掛は低く、節も独特のものがあります。金春流は、世阿弥の書状にも出来きますように、金春禅竹が世阿弥の娘婿で、大変才能のあった人で、金春流の元を気づいた人です。金春流は家元が長く奈良に在住されていたので、奈良に地盤があるのですが、近年東京に進出されて活躍されています。

ながながと能について書きましたが、その金春流の能は京都ではなかなか見る機会も無く、奈良の興福寺の薪御能ぐらいでしか見る機会ないのですが、私が高校生時代には京都の薪能でいつも桜間金太郎という方が仕舞いを舞われていたり、その当時の英語の先生がこの桜間金太郎師に習われていたりとか、なんとなく親しみを勝手に感じていました。

肝心の能の方ですが。

弱法師は最初の出だしがとても肝要な演目で、舞台が天王寺、橋掛かりをシテが天王寺に向かってはるばるやってくる。この間の謡がすばらしかったです。謡の文句もすばらしく、作者の世阿弥の息子元雅の非凡さを改めて感じます。徐々に大きくなる声に、はるばる天王寺まで訪ねてきた風が感じられ、もう後は見なくてもいいぐらいでした。

ストーリーとしても大変よく出来た能で、最後に父と再会して故郷の高安に帰るのですが、感じるところの多い一番でした。

この後の狂言があり、西行桜と続きます。それはまた・・  


Posted by 山名騒然  at 11:36Comments(2)くらし