京つう

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2012年09月10日

松花の会

昨日のお能の会

まずはじめに、井上裕久先生のご挨拶と曲の解説で始まりました。

今回はちょっと珍しく、狂言からはじまりました。

また、この狂言「独り松茸」も非常にめずらしく、私も初めて見る狂言でした。
舞台には、前の通り独りしか出ません。普通こういった時後見が出るものですが、それもいません。まさに一人。この曲は廃曲になっていたのの、今は亡き茂山千之丞氏が復曲されたものだそうです。今回は、その孫にあたる童司さんが演じられました。松茸がたくさん取れると聞いた者が、一人で山へ松茸狩りに出掛け、山で散々な目に会うという内容で、演者の実力が試されます。まだ若い童司さん、なかなかの物でした。さらに円熟された時にもぜひ見たいものです。

狂言ですっかり秋の風情になったところで、今日の一番の演目である「定家」です。約2時間の大曲です。式子内親王と定家との恋の物語をベースに、ありし日を追憶して舞い、僧の回向で一旦は成仏しかけるのですが、定家の思いの象徴である定家葛にふたたび巻きつかれて行くという・・・・。複雑な女性心理を表している名曲です。

今日も、地謡とシテ謡がいい具合に絡み合い、普段ついウトウトとしがちですが、そういう事もなく、いい具合に集中して見られました。
終わって、シテが橋掛りから幕まで歩く間も、誰一人拍手する人も無く。最後まで、舞台見所との緊張感が途切れずにいたのは、シテの力量による所が大きかったと思います。

休憩の後は、ご子息の「乱(猩々)」二十歳過ぎの若者らしい、ハツラツとした舞でした。舞台の上には瀋陽の江の上を楽しげに、軽やかに舞う猩々の姿がまざまざと見えました。清々しい気分になって帰路に着くことができました。


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Posted by 山名騒然  at 21:57 │Comments(0)くらし

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