「お能へのお誘い」でご案内させていただいた「松花の会」に行って来ました。
6月に東京で同じ「景清」を喜正氏のシテでみました。くしくも東と西で同じ演目を続けて見る機会を得ました。
今回の「景清」は、ほとんど動きらしい動きの無い能ですが、しかしストーリーは非常にわかりやすい演目です。
始まる前に藁家の作り物が出され、シテはその中に前半は座ったまま。後半は藁家から出てきますが、座ったきり、多少左右前後には動きますが。最後に別れの場面で立ち上がりますが、ツレの背中を手で押す動作があるだけ。動きが少ない分、少しの動きでシテの感情を表現する難しさがあります。東京では正面の席でしたが、今回は脇正(舞台の向かって左側)シテの動きを斜めから見る形で、東京では気づかなかった動きなど、発見もたくさんありました。
それにつけても、一曲の中で3度胸にこみ上げて来て、とってもすばらしい舞台でした。また、その少ない動きを、すばらしい謡がおぎなってあまりあるぐらいすばらしい謡でした。
息子さんの「小鍛冶」も元気はつらつとした舞台で、あら削りですが、こちらまで元気になれそうな気がしました。
来年は9月7日 また「ろうそく能」を考えておられるそうです。
そうそう、今日お稽古日で、幸いどなたもおられませんでしたので、ひとしきり昨日のお能のお話を聞かせて頂きました。「一番の問題は無事に立てるかどうか」 舞台を終えて荷物を片付けに嘉祥閣帰って二階に上がろうとしたら、足が上がらなかったそうです。それだけ足に負担があるのですね。
こんなお話が聞けるのはお稽古させて頂いているものの役得ですね。
そして、このすばらしい謡を京町家で聞ける機会があります。改めてご紹介させていただきますが。ぜひ体験してみてください。